1.設立の趣旨
かつてロバート・フィシュマンは、suburbsとtechnologyからテクノバーブズ(Technoburbs)なる言葉を造語し、情報社会において自立的でテクノシティー化され、大都市から独立しながらそれを取り巻いて存在する周辺部を構想した。東京電機大学理工学部の位置する埼玉県比企郡鳩山町や、近隣東松山市一帯もいまやテクノバーブズといってよいであろうが、日本における大都市の郊外の現状を考えるとき、artとsuburbsから、アートバーブズなる造語、そしてその構想を生み出すときのようにも思われる。
アートバーブズとは、豊かな文化・風土を基盤に、景観と環境が重視されながら、アートイベント、文化創出企画、文化・芸術教育のエネルギーによって活性化され、変革がダイナミックに行われていく郊外のことである。本フォーラムは、そうした比企の地域におけるアートバーブズの核を目指し、自治体と連関し、地域密着、地域活性化の使命を担おうとするものである。
2.設立申請に至るまでの経過
2000年に新設された東京電機大学理工学部情報社会学科(埼玉鳩山キャンパス)において、学生が自ら考え、行動し、実践してきたプロジェクトがこのNPO設立のそもそもの基盤となっている。
鳩山キャンパスを中心に、鳩山町、東松山市、嵐山町において開催されている「国際野外の表現展」や鳩山町立亀井小学校において総合的な学習の授業の一環としてアーティストを招聘して開催したワークショップ、和光市立大和中学校を中心に行われている「生徒のための芸術計画」、埼玉県立近代美術館・川越市立美術館に対して継続的に行っている企画提案などがこれまで行ってきた主なプロジェクトであるが、これらのプロジェクトに関わった方々や情報社会学科の教員・学生を中心とし、前述の設立の趣旨に賛同する者が社員となり、本法人を設立するに至った。
平成16年2月16日 特定非営利活動法人アートバーブズフォーラム